扇動者の場合 その2
若者>
どうして、人間はバカのままなのだ?
扇動者>
困るから、認めたくないってのもあるよ
意識的にさけてるんだよ
そんな社会が出来てしまったら困る人たちがいる
そういった奴らが、僕らの考えを、必死で否定してるんだよ。
若者>
もしかして、そういうやつらが不正を働いて、
我々を圧迫しているのではないか?
こういつらがいなくなったら、重しがとれたように
今の自分達は楽になるような気がする
扇動者>
そのとおり!そんな重石は打倒すべきだ!
そうすれば、君達もきっと楽になるはずだ。
君たちが苦労し無ければ得られないものを
労せずして得るものがいる。
苦労している傍らでそんなことされちゃやってらんないよな。
憎いだろ?
若者>
うん、にくい、嫉妬するよ
扇動者>
そうだ、どんどん嫉妬しろ!別におかしくは無いぞ
きわめて正常な感覚だぞ。
若者>
うーん。この心のもやもやが、
だんだん大きくなってきたような気がするよ
あなたと話す前は、それほどでもなかったのに・・
あんた、罪な人だなあ
扇動者>
それって俺が大きくしたわけじゃないよ。
もとからあったものだが、いままでは気が付かなかっただけだよ。
若者>
確かに、このもやもやって昔からあったような
でも、あなたの話をきくまでは、
形にならないすっきりしないものだったような
でも、あなたの話をきいて、明確にまとまったようなきがする
形となって、より具体化されたというべきか・・
だから、かえって心地よいような・・・